買収協議が進まない中、経営委任から始める段階的な連携を実現した事例

目次
事案の概要
後継者不在で存続が危ぶまれる希少な仕入先企業に対し、買収を持ちかけている企業からのご相談でした。相手方には経営権を譲ることへのためらいがあり、協議が進まない状況でした。
提案した方針と選択理由
相手方が受け入れられる形で経営関与を始める提案に切り替えることとし、経営委任契約によって試行的に経営を担う形を設計しました。会社の所有を直ちに移すことなく、依頼者側が経営者を派遣し、資金管理や業務改善に関与する仕組みです。相手方のためらいを踏まえつつ、必要な経営上の連携を進める折衷案としました。
具体的な対応と結果
経営への関与方法や取引実態を聞き取り、派遣する経営者の権限・役割、既存役員や従業員処遇など契約条件を整理しました。最終的に経営委任契約が成立し、買収を直ちに求めることなく、経営委任から連携を始める合意に至りました。
担当弁護士コメント
この事例のポイントは、買収の必要性と、経営権を譲ることへの相手方のためらいを、段階的な進め方によって調整したことです。
合理性があっても、一度に大きな決断を求めると協議が進まない場合があります。まず合意できる範囲を見極め、権限や条件を契約で明確にすることも、事業の連携・承継を進める方法の一つです。

中川 泰徳
つきあかり法律事務所 代表弁護士(山梨県弁護士会所属)
事業再生・廃業支援、事業承継・M&A、企業法務を中心に、交通事故、債務整理(個人再生委員・破産管財人の経験あり)、相続にも対応。解決への道を伴走するガイド役として活動。
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